- 書名:だから、読み手に伝わらない! もう失敗しない文章コミュニケーションの技術
- 著者名:山口拓朗/著
- 出版者:実務教育出版
本書『だから、読み手に伝わらない! もう失敗しない文章コミュニケーションの技術』は、仕事のメールでトラブルを起こさない、SNSで嫌われないようにする方法を学べます。
- 言いたいことが相手にまったく伝わっていなかった。
- お詫びをメールで済ませて、相手の気分を害してしまった。
- 送信ボタンを押してから「しまった!送らなければよかった…」と頭を抱えた。
このような形に残るメールやSNSでの失敗を無くし、信用されて仕事が捗る、好かれる文章コミュニケーション術を学びたいなら、おすすめの1冊です!
メール・SNSは、トラブルの導火線。
~言われるセリフと、言われたことに対する心情リスト~
- 「キミのメール、何が書いてあるかわからないんだけど。」
(書いてあるんだから、ちゃんと読んでよ。。) - 「メールじゃわからないから、口頭で説明して。」
(口頭で説明してって、じゃあメール出さなくてよかったじゃん。ちゃんと読んでください。。) - 「あ、メール送ってくれてたの? 気付かなかったよ。」
(いや本当は気づいてたでしょ。返信してよ。。」 - 「あのメールの指示で、やっておきましたよ。」
(待て待て、やって欲しいことをしてなくて、余計なことをされてる。。) - 「キミさあ、ちょっとあのメールはないんじゃない。ナニサマなの?(怒)」
(え、何の話? なぜ怒ってるの??」 - 「お詫びをするって、メールで済むとでも思ってるの?(怒)」
(電話も繋がらないし、上司はメールで謝れって言うし、しょうがないじゃん。。) - 「会ってる時と比べて、なんかメールだと冷たい感じですよね。」
(別に冷たくしてるつもりはないんだけど。。) - 「あいつのコメントさ、空気読めてないよなー。てか感じ悪くない?」
(え、空気読んで話の流れに乗ったでしょ? 感じ悪いって、他の人に吹聴しないで。。)
「会って話せばわかるのに、どうしてメールを送らなきゃいけないんだ!」
「空気読めないとか言われるし、LINEはもうしたくない。。」
こう思うのも、無理はありません。
メール・SNSは、誤解を生みやすいコミュニケーション方法です。
表情が見えない、声も聞こえないから感情がわかりにくい。
細かいやり取りができないから、誤解も即座に訂正できない。
ですから対面コミュニケーションが得意でも、文章コミュニケーションが苦手という方は意外と多いです。
メールやSNSをする度に、信頼度が下がっていくような感じがします。
対面コミュニケーションが苦手な方なら、なおのこと文章コミュニケーションが苦手かもしれません。
メールの些細な誤解が何倍にも増幅されて、苛立ちや失望に変化するような感じがします。
文章コミュニケーションが成功して、ようやく対面コミュニケーションが普通にできるくらいの辛さがある、というのは言い過ぎでしょうか。
だからといって、メールもSNSも、辞めるわけにはいきません。
仕事のメールは、電話や打ち合わせの代わりになり、やり取りの証拠にもなります。
SNSは連絡手段を兼ねており、コミュニティの様子を把握するツールでもあります。
使わなければいけない以上、どうにか対処したいものです。
メールで、SNSで、嫌われないような方法はないでしょうか?
嫌われない文章は、細部の言い回しがスマート。
そこで、本書『だから、読み手に伝わらない! もう失敗しない文章コミュニケーションの技術』の出番です。
本書は、伝わらない文章の原因を徹底的に洗い出し、円滑な文章コミュニケーションを図るコツを学べます。
目的とするのは、意図を過不足なく伝えること。
嫌われない、不信感を持たれない、誤解されないよう、文章の細部まで気配りします。
各項目は、よくあるNG例文と、改善したOK例文がセットで説明されています。
例えば以下のように、何をどうすれば良いかが見ただけでわかります。
<メール NG>
ご案内いただいていたプレス向け試写会ですが、
今回は参加を見送らせていただきます。
今後ともよろしくお願いいたします。
<メール OK>
このたびは、プレス向け試写会ののご案内をいただき、
誠にありがとうございます。
せっかくのお誘いなのですが、当日は弊社主催のイベント日にあたるため、
残念ながら、駆けつけることができません。
ご期待に添えず、申し訳ございません。
これに懲りず、またの機会にご案内いただければ幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。
<SNS NG>
家族サービスも大変だねえ。
<SNS OK>
家族でDVD鑑賞なんてステキですね!
信頼を築くのは時間がかかるけれど、無くすのは一瞬です。
メールを送る前に、言い回しが正しいかをチェックすると良いでしょう。
「なるほど!」と思った中からピックアップ。
資料を使いまわすと誠実さが無くなる。
他人の作った文章、資料をコピーするとラクです。
でもラクをするためのコピーだと思われると誠実さが無くなります。
コピーではなく引用だとわかるようにし、信用を無くさないようにします。
急ぎの依頼をするなら「相談」の形。急ぎの依頼を断るなら「質」を理由にする。
命令口調は不満や怒りを買います。
- NG:校正していただき、明日14時までにご返信ください。
- OK:校正していただき、明日14時までに修正点等をご返信いただくことはできますでしょうか。
「時間が無い」は切り札です。急げない理由を述べます。
- NG:「明日14時まで」とのことですが、時間を確保できません。
もう1日(明後日14時まで)、お時間をください。 - OK:「明日14時まで」となると超特急で校正しなくてはならず、チェック漏れが生じてしまう恐れがあります。
内容面での誤りはもちろん、万が一、誤字脱字等が残れば、カタログの質の低下を招き、貴社にご迷惑をかけてしまうかもしれません。
校正の精度を維持するためにも、もう1日(明後日14時まで)、お時間をいただけませんでしょうか。
SNSで、悪意のない言葉が誰かを傷つける。
不用意に本音をこぼすと、知らないうちに誰かを傷つけ、結果として嫌われます。
- 「ふー、打ち合わせ終了。どっと疲れた。」
打ち合わせ相手にしてみれば、「疲れさせたのは私のせいか?」と嫌な気持ちになります。 - 「飲み会でお酒が飲めない人がいると、若干、盛り下がる(笑)」
お酒を飲めない人にしてみれば、「私を責めているのか?」と嫌な気持ちになります。
自分を盛り過ぎない。
自慢は痛々しく、苦笑されます。
- NG:今日は六本木ヒルズ52階絶景レストランで、年間30億稼ぎ出す経営コンサルタントの○○氏と極秘ランチ! 何か新しいビジネスがスタートしそうな予感です。新たな野望にまっしぐら!
- OK:今日は六本木ヒルズ52階絶景レストランで、経営コンサルタントの○○氏とランチをしました。何か新しいビジネスがスタートしそうな予感です。使命感に燃えています。
『だから、読み手に伝わらない! もう失敗しない文章コミュニケーションの技術』は、辞書を引くように使い、送信ボタンを押す前に何度も見直す。
『だから、読み手に伝わらない! もう失敗しない文章コミュニケーションの技術』は、各項目の多くが見開きページで説明されています。
辞書を引くように使えば、送信ボタンを押す前に簡単に確認できますよ。
備忘録になりますので、以下の目次も参考にしてくださいね。
- はじめに
- えっ? 文章があなたの邪魔をしている?
- なぜ、文章コミュニケーションは難しいのか?
- 人は正当化したがる生き物
- SNSで上手にコミュニケーションを取れていますか?
- 読む人の立場&TPOに応じた文章を書こう
- 第1章:だから、伝わる文章のイロハ
- 「一文一義」でまとめよう
- 具体的な表現を心がけよう
- 「説明不足」はトラブルのもと
- 主語と述語をねじれさせない
- その専門用語、伝わっていますか?
- 読点の位置に気を配ろう
- 修飾語は被修飾語の直前に置こう
- 修飾語の並び順3原則
- 情報は分別してまとめよう
- つじつまを合わせよう
- ちぐはぐな書き方をしない
- 「どっちの意味?」と迷わせたらアウト
- 同じ言葉をムダにくり返さない
- 必要のない言葉遣いを削ろう
- 指示代名詞が指す言葉がわかるように
- 接続詞は取捨選択しよう
- 漢字だらけの文章は嫌われる
- 二重否定はなるべく肯定表現にしよう
- 第2章:だから、仕事が捗るメールの勘所 実践・文章コミュニケーション、01
- メールの強みと弱みを把握しよう
- 知らなきゃ損するメールのルール
- あらためて押さえたいメールの基本型
- 読む/読まないは件名で決まる
- 相手を動かす結びの言葉
- カドが立たない「断り文」
- あいまいな「返事」で誤解を与えない
- 「返信」は相手の期待を上回ろう
- 相手がOKしたくなる「依頼文」
- 「催促メール」は逃げ道を用意しよう
- 「報告メール」は項目別に書こう
- 「案内メール」は情報整理と見せ方がキモ
- 「意見&提案」で伝えるべきは根拠と熱意
- 「お礼メール」は喜びを具体的に
- 「抗議文」のポイントは冷静さ
- 「急ぎの依頼」、お願いするコツと断るコツ
- 「謝罪メール」はお詫びよりも共感が大切
- メールの返信はいつすべき?
- 引用文の活用作法
- テンプレートを用意しておこう
- 資料使い回しのリスク
- ムダなメールの往復を避けよう
- 補足的な伝達は「追記」「追伸」で
- 見た目がダメなら伝わらない
- 罫線でメリハリをつけよう
- 送信前のチェック項目
- 第3章:だから、モメないメールのコツ 実践・文章コミュニケーション、02
- メールに頼ってはいけない3つの場面
- マナー知らずになりかねない携帯メール
- 「名前」の取り扱いに要注意!
- 基本は1メール1用件
- 5W3Hで情報を盛り込もう
- まずは結論から入ろう
- 「余計な情報」を書かない
- 複数用件は「箇条書き」にしよう
- してほしいことは「肯定表現」で
- 「ていねいさ」を惜しまない
- 「誠実フレーズ」をストックしておこう
- 「クッション言葉」でメンツを守ろう
- ハイリスクな「話し言葉」
- 配慮を書かない文面に
- 警戒心を解く文章の書き方
- 2つの質問技法を使い分けよう
- 文章の“表情”を読み取ろう
- 「お叱り」はサンドイッチ話法で
- 男女で異なる“響く言葉”
- 言いにくいことを先延ばししない
- 書き手の意図を命がけで読み取ろう
- 文章コミュニケーションにおける顔文字
- 何かと使える「~したく」
- 第4章:だから、わかりあえるSNSの文章技法 実践・文章コミュニケーション、03
- SNSは諸刃の剣
- SNSは駅前広場と考えよう
- 「誹謗中傷」と「批評」の違い
- 「怒り」の文章論
- 「かまってちゃん」にならない
- 露骨な「売り込み」はやめよう
- 自分を盛り過ぎない
- 自分を追い込む他責文
- 悪意のない言葉が誰かを傷つける
- 嫌いでも貶さない
- 正論・正義を振りかざさない
- 他人の情報をうっかり晒さない
- NG発言ガイドラインを作ろう
- 「嫌われコメント」よりも「喜ばれコメント」を
- 「ネガティブ言葉」をポジティブ言葉」に言い換えよう
- 安易に情報拡散しない
- 軽はずみな自滅投稿はずっと残る
- 読み手のモノサシは千差万別
- おわりに
まとめ:くどいようでも、送信ボタンを押す前に再度確認をしよう。
送信したら、二度と送信をキャンセルできないのがメールです。
一度の失敗がその後に影響するだけに、日常的な単純作業でも気が抜けません。
「しまった!」ということにならないように、何度も見直した方が良いでしょう。
『だから、読み手に伝わらない! もう失敗しない文章コミュニケーションの技術』は、メール、SNSで嫌われない書き方を学べます。
本書はあくまでも「嫌われない」ようにリスクを回避する方針です。
文章によるインパクト、大きな成功を望む方には物足りないかもしれません。
その点、ご注意くださいませ。
以上、
もう嫌われない!トラブルを起こさないメール・SNSの書き方を学ぶ本。『だから、読み手に伝わらない! もう失敗しない文章コミュニケーションの技術』
でした。
ぜひ、手に取ってみてください(^^♪
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